アルコール依存症 回復へ

アルコール依存症の症状、治療、病院、AAミーティングと断酒会(自助グループ)や家族の悩み、離婚、アダルトチルドレンなど依存症者本人の体験をもとにしてお届けいたします。

再飲酒の原因は自慢の心 先輩から教えていただいた感謝の実践

再飲酒の原因は自慢の心 先輩から教えていただいた感謝の実践

 

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再飲酒の原因は自慢の心 先輩から教えていただいた感謝の実践

 

数日前お酒を飲んでいる夢を見ました。

 

たまに見る夢です。

 

こういう時に、アルコールの自助グループで先輩に言われたことを思い出します。

 

先生になったらだめだよ」という言葉です。

 

アルコールの自助グループでは、今日が初めて参加したという人も、何年も断酒している人も、平等となっています。

 

何年断酒しても一杯飲んだら元通り」という事実が、根本的にあるからだと私は思っています。

 

本質的には、アルコール依存症という病気の前では、酒を止められなくて苦しんでいる人も、30年断酒した人でも違いはありません

 

とは言え、実際には誰かがミーティングや例会の準備をしなければ運営はできません。 

 

そして、やはりやめられない人と、30年断酒の人とでは違いがあるのも事実です。

 

自慢の心は再飲酒へと向かいやすい

 

私は以前、プチ断酒は何度か経験していました。3か月とか、6か月です。

 

ただ1年は、なかなか越えられませんでした。

 

アルコールの自助グループの仲間たちを見ても、やはり1年の壁は大きく、逆に1年断酒すれば大きな自信になります。

 

一年を突破すれば、次は3年の壁。その次は10年の壁などと言う人も多くいます。

 

「先生になったらだめだよ」というのは、先輩として新しい人に知らないことを教えてあげたり、相談相手になるのはいいが、自分と相手が違う人だと思ってはいけないということではないかと思っています。

 

実際に人に色々と教えていると、どうしても自慢の心が出てきます。

 

自分は成功者だが、今飲んでいる人は失敗者

 

成功者の自分が秘訣を伝授しようなどという雰囲気が出てきてしまいます。

 

また20年断酒している人は、半年しかできていない人より偉い。

 

これも危険な落とし穴です。

 

私は久しぶりにお酒を飲んだ夢を見たので、色々と考えました。

 

自分は先生になっていないだろうか?

 

最近はブログも書いています。

 

「偉そうなことを書いていないだろうか?」と書いた記事を少し振り返りました。

 

そしてもう一度「再飲酒」について考え直してみようと思いました。 

 

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仕事への復帰

 

仕事への復帰を焦るのは危ない

 

アルコール専門病院への入院は2~3か月です。

 

3か月も仕事を休めば、普通は焦ります。

 

退院後すぐに職場復帰したくなる気持ちはよくわかります。

 

入院中の治療のおかげで、体調は見違えるほど良くなっています。

 

本人も「3か月も酒を飲まないで過ごせた。酒を飲みたいという気持ちは起こらない。もう大丈夫」と思います。

 

そして仕事へ戻ります。

 

私の経験上、このパターンは再飲酒してしまう確率はとても高いと思っています。

 

3か月や半年、1年近くは飲まないで頑張る人もいます。

 

しかし3年5年と見るならば、ほとんどの人が失敗しています。

 

なぜか?

 

理由は、そのままでは以前と同じような問題でつまずき、その時に酒に手が出てしまうからです。

 

アルコール依存症の人は、人間関係の処理が下手な人が多いです。

 

アルコール依存症人間関係の病気という人もいます。

 

人との付き合いが、うまくいかない時に酒に手が出ることがとても多いのです。

 

 自分が他人から受けて当然と思う対応をしてもらえない時に、「怒り」の気持ちから失敗することが多いように思います。

 

「自分はこれだけ頑張ったから、これくらい認めてもらえるはずだ。なのに・・・」ですね。

 

「自分はこれだけ仕事をしたのに、待遇が悪い。腹が立つ」

 

「自分はこれだけ親切にしたのに、恩を仇で返された。腹が立つ」

 

「自分は何もしていないのに、根も葉もない陰口を言われた。腹が立つ」

 

「自分は当然のことをしただけなのに、逆恨みをされた。腹が立つ」

 

 「会社の奴らは、俺がアルコール依存症だと思って馬鹿にしやがる」

 

そう言って再飲酒に走る場合は多いです。

 

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家族との人間関係の修復は難しい

家族との人間関係の修復は難しい

 

もっと難しいのは家族との人間関係です。

 

アルコール依存症者の家族は、退院の日が近づくと何とも言えない不安に襲われます

 

「夫(妻)のアルコール問題から離れて、少しの間平和な日々がやってきたのに、また酒を飲んでしまったらどうしよう」

 

「また酒を取り上げたり、隠したりしなければいけないの?」


「飲んだ後の散らかし放題、汚し放題の後片付けをしなければいけないの?」


「人に迷惑をかけ、本人の代わりに平謝りをしなければいけないの?」


「酒屋やバー・スナックなどの請求に追われるの?」

 

「会社の人、近所の人、親戚に言い訳をしなければいけないの?」

 

子供をこれ以上怯えさせたり、我慢させるわけにはいかない。

 

私は依存症者であり、アダルトチルドレンでもあるので、「親を殺してやりたい」とずっと思っていました。

 

「もう親は死んだけど、墓をほじくり返してもう一度殺してやりたい」という話を聞いたこともあります。

 

解決策として以前「家族教室」や「CRAFT」のことを書きました。

 

知っていることは力ですが、家族の心の傷は3か月くらいで癒えるものではありません

 

k77703230418.hatenablog.com

  

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ドライドランク

ドライドランクとは?

 

ところが3か月の入院を終えた依存症者は「すっかり治った気分」で退院してきます。

 

「俺はもうアルコール依存症じゃない。問題ない」と思ってしまうと、家族関係は崩壊します。

 

アルコール依存症がややこしいのは、切り傷や擦り傷のように自然には治らないということです。

 

お酒を飲んでいない依存症者のことを「ドライドランク」と言います

 

大酒飲みが、お酒が切れると離脱症状(禁断症状)が出ることがあります。

 

離脱期は普通数週間で治まります。

 

しかし、断酒を継続していても、飲酒時と同じような不安感、イライラ、絶望感、あるいは人に対して攻撃的な怒りの感情が抑えられなくなることがあります。

 

この「ドライドランク」を乗り越えるために、自分を変えていくことを「回復」と言います

 

「回復」は意識的な行動の結果なので、自然に放置していても起こりません

 

飲んでいたころの自分の間違いを振り返り、修正していくことが必要です。

 

オーソドックスな方法は、断酒を継続している人と、自分を比較して気づきを得ることです。

 

あるいは、専門家に自分の偏りを気づかせるヒントをもらうことです。

 

そういう意味で自助グループやカウンセリングは有効です。  

 

k77703230418.hatenablog.com

 

 

k77703230418.hatenablog.com

 

 劣等感を誤魔化したいので強がってしまう

 

 自尊心は大切です。

 

アルコール依存症の人は根深い劣等感を持っています。ですから自信を持てるようになることは大切だと思います。

 

自分を振り返ることを始めると、最初は自分を責めたり、他人を責めたりしがちです。

 

その時期が過ぎると、自慢の心が出てきます。

 

劣等感を補おうとして、強がって奇妙な行動をします

 

典型的なのは、つまらないことに挑戦し始める人です。

 

わざわざ、繁華街、飲み屋さんばかりが軒を連ねる場所を歩いてみる。

 

昔、通っていたスナックやバーへ行って、ウーロン茶だけ飲むなどです。

 

こういった気持ちの底には「自分はもう大丈夫だと思いたい」という感情が潜んでいます。

 

私は初めて自助グループに参加したとき、スポンサーや会長と呼ばれる人は「すでにアルコール依存症ではなくなった人」だと思っていました。

 

長く断酒をして、他人に色々なことを教えたり、指導したりする人だから、もう大丈夫だと思っていたのです。

 

ところがそれが間違いであることを、この9年間見続けてきました。

 

以前「都合の悪いことを認めたくない感情は、誰の心にも潜んでいる」という記事を書きました。

 

 アルコール依存症者は、自分の飲みたい気持ちを正当化するために、巧妙に論点をずらしていきます

 

他人を欺くのですが、自分自身をも欺きます

 

それが恐ろしいところです。

 

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自慢の心には感謝の実践

 

 記事の冒頭で自助グループの先輩に「先生になったらだめだよ」と言われたと書きました。

 

ただ同時に言われたのは「今困っている人の相談に乗ってあげることは、君の回復にとってとてもいい」という言葉です。

 

この両方の言葉を矛盾なく両立させることは難しいことです。

 

先輩は「感謝を忘れてはいけない。教えてあげているのではないよ。お世話をさせてもらっているんだ

 

君が教えてあげるではなく、世話をさせてもらっているんだ、ということです。

 

あげていると思っていたのが、実は断酒という宝物をもらっているという言葉でした。

 

また私たちにとって「断酒」は大きな問題ですが、人間は「断酒」のために生きているのではありません

 

「断酒」を続けながら、生れてきて良かったと思える人生を送りたいものです。

 

互いに矛盾したものを両立させるのは大変ですが、その過程で得られた教訓や人間関係が自分が誇りにできる宝物になるかもしれないと、思わせてもらえるようになりました。

 

直接的にであれ、間接的にであれ、自分を「飲まない生活」に導き、支えてくれた多くの人に感謝したいと思います。

 

自慢の心から距離を取れるもっとも簡単な方法は、感謝の実践かもしれません

 

私が今飲まない生活を送れているのは、多くの方の支えがあってのことです。

 

それは過去もそうですが、も同じです。

 

お酒を飲む夢を見てしまいました。

 

自分一人で断酒ができていると思っていないか?

 

これを機会に過去お世話になった、そして今お世話になっている多くの人を思い出して感謝したいと思います。

 

当然この記事を読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます

 

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。 

 


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